「変われる自分になれる場所」

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大垣・桜楽3月号 折込広告から

当塾は今年、開塾16年目を迎えました。
先行きが不透明で数年後をイメージすることさえ困難だったあの日から15年が経過しました。今日まで長きに渡って地域の皆さまにご支援いただきここまでこられたことを、心から嬉しく思うとともにあらためて感謝いたしております。といってここで終止符を打つつもりはありませんので、期限は設けずに気力と体力、そしてなにより子どもたちへの情熱が続く限りは、慢心を排除しながら精進を続けていきたいと思っています。

さて、私が業界に足を踏み入れた20数年前は、塾が再編される過渡期にあったと記憶しています。大手学習塾が体力にものを言わせて折り込みチラシをばらまき、その量に応じて新規入塾者数が決定し、増収増益に直結する。まさにそんな時代の終焉の始まりだったような気がします。時の経過とともに少子化が加速する中、2007年、文科省が大きく舵を切ったゆとり教育は上を下へと波紋を広げましたがおよそ7年で脱ゆとりへの再転換を余儀なくされ、その後の紆余曲折を経て2020年の教育改革へとつながってきました。

小学校では今年度から教科書が改訂されましたが、来年度は中学校の改定年度になります。具体的にはアクティブ・ラーニングの導入や大学入試共通テストを想定した英語4技能の習得等が挙げられますが、これらの改革は平たく言えば「対AI」を想定した新たな社会において「子どもたちが何を学びどのようにそれらを生かしていくのか」ということに重きを置いたものになります。ご承知の通り、これからの社会生活においてAIは身近な存在として私たちに幸福を与えてくれる存在となることが期待される一方で、今ある多くの職種を奪ってしまうことが言わば前提となっています。新井紀子著「AI vs 教科書が読めない子どもたち」の中には10~20年後になくなる職業と10~20年後まで残る職業のトップ25が列挙されていますが、その両者の大きな差異は対人コミュニケーション能力の有無が業務に占めるウエイトの差と言えます。コミュニケーション能力を塾で伸ばすことはかなり難しい課題ですが、個々の生徒が問題解決までのロードマップを実行に移す道を示していくことは、入試に向けた学習を通して身に付けることが可能だと考えています。

私には小中高生の娘がいますが、私たち親世代が子どものころ、学校は同じ能力を持った子どもを大量に社会に供給することを目指していました。それが社会の生産性を高め、幸福度につながり人も社会も豊かにするとされていました。ですから出る杭は打たれ、右向け右がうまくできる子が良い子とされました。よって、私のような子どもは先生から煙たがられた訳です。ところが、これからやってくる社会ではそのように教育されてきた子どもはAIとの競争によって淘汰されてしまうことが想定されるのです。


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日本において一般家庭までインターネットが普及し始めた1990年代以降、社会生活や産業構造に大きな変化が訪れたことはご承知の通りですが、次はAIです。
先述の新井紀子氏によれば、AIはMARCHや関関同立などの難関私立大学に合格するだけの学力を有し、今後あらゆる領域のホワイトカラーの職を奪っていくと警鐘を鳴らしています。大量生産されたAIによって限りなく低く抑えられたコスパに太刀打ちするためには、勉強ができるというスキルだけでは到底及ばないということです。ただ一方で、AIによって奪われない仕事の共通点も明示されています。コミュニケーション能力であったり、人を思いやる心であったり、文章を深く読み解くことであったり。つまり、フレームに囚われない発想力や柔軟性があれば「AI恐るるに足らず」ということになりそうです。
「そうか、それなら安心だ。」そう思った方がみえたとしたらそれはとても危険です。なぜなら、そんな能力を備えた人材を養成するように現代の教育現場は機能していないからです。よって、勉強することと並行して意識的にそれらの能力を高めながら、身に付けた知識や技能をどのように役立てていくか自分の頭で考えて行動することができる人材にならなければ、将来的にAIによって淘汰される可能性があるのです。

子育ての究極の目標は、我が子の将来の幸せに他なりません。我が子が将来何の不自由もなく幸せに暮らせる手形が手元にあれば、おそらく親の悩みの多くは解消されるでしょう。先行きが不透明であるからこそ、親は愛する我が子の幸福への可能性を高めようとあれこれと頭を悩ませているのですから。
塾は勉強することを通して学力の向上はもとより、努力を継続する力や自分を律して辛抱強く頑張ることができる力を養成する場だと認識していますが、その手段や方法が今後訪れる社会で生かされる手法でなければなりません。押しつけや強要によって一律に同じサービスが提供され、目標までのアプローチを子どもたちが自分の頭で考えることなくただ闇雲に日々の課題をこなしているようでは、AI社会を乗り切ることなど到底不可能に思えます。膨大な量のテキストやプリントを課題として与え、さらにテストの度に子どもたちを塾に缶詰めにして、ろくな休息を与えることなく詰め込むだけ詰め込んで、挙句の果ては学校の先生が作った定期テスト問題を切り張りして“予想問題集”として誇らしげにアピールするような塾が肯定された時代がありましたが、今では過去の遺物そのものです。
これからの時代、塾から与えられる課題だけをこなしているような人間では、将来を生き抜く力など手に入れられるはずがないのです。誤解を恐れずにいえば、出る杭であり続け右向け左ができる人間。加えて、人の気持ちを汲み取ることができて、物事の意味を理解できる人間。突き抜けた学力であればそれだけでAIにも負けない大きな武器になると思いますが、多くの子どもたちはそうではありません。である以上、そういった無形の力を身に付けさせることを念頭に子どもたちを教育していかなければならないと思っています。

教科指導は塾が担う最低限の教育サービスですので、今回の教科書改訂では特に英語の難化に対して慎重かつ大胆に対策を講じていかなければならないと覚悟していますが、それと併せて子どもたちの10年後のために、前述のような力を養成するために塾として何ができるか。それを考えなければなりません。いくつもの課題や選択肢がある中で、新年度からある授業をスタートすることを決めました。名付けて “芥川を読む” 。芥川龍之介の短編小説を中1から中3の3年間かけて読み解く隔月実施の中学生限定授業を始めます。

毎年東大や京大をはじめとする難関大学に多数の合格者を輩出する神戸市の灘高校で、50年という長きに渡って教鞭をとられた橋本武先生の授業に着想を得ました。言わずもがな橋本先生には遠く及びませんが、芥川の短編小説をもとに当時の人々の生活に目を向けながら、語彙や言葉遣い、伝統や芸術にまで広げて教養を身に付けていく場を提供します。最後は感想文を提出して添削指導までを一貫して実施します。私たちが子どものころは夏休みになると読書感想文が必須の課題として与えられていましたが、現代の子どもたちにはその機会が平等に与えられていません。よって、自主的に取り組むお子さんとそうでないお子さんとの間には、文章力に圧倒的な差が出てしまう現実が散見されます。その現実に抗います。
昨年4月に試験的に開講した後、コロナ禍によって頓挫してしまいましたが、子どもたちの意欲的な姿勢にはとても勇気づけられましたし、感想文に関しても「新聞のコラム担当記者に倣って、400字詰め原稿用紙最後のマスで文章を収められるように各自努力してみよう」と提案すると、本当に400字ピッタリに書き上げる生徒が中1から中3までの各学年に数名ずつ現れたことも私を驚かすには十分でした。
中1から3年間、この授業を続けることの効果は未知数であるものの、大きな可能性を感じさせてくれました。

「三つ子の魂百まで」とはよく言いますが、私は仕事柄この言葉の真意を嫌というほど思い知らされます。それぞれのご家庭でどのような教育がなされてきたかを推し量ることは困難であるものの、お預かりするお子さんを通じて、または保護者懇談会での会話をもとに少なからず推察できることもあります。
塾でお子さんをお預かりする身でありながら矛盾しているとご批判があることを承知で申し上げれば、「勉強ができる」という能力はお子さんが持つ資質のある一部分でしかありません。他者への優しさや労り、思いやりの心、弱者に手を差し伸べることができる強さや、人の輪の中心に居て、ときにはみんなの先頭に立って向かい風の中でも前に進むことができる突破力、愛嬌や人懐っこさもそうでしょう。勉強は点数によって数値化が容易ですが、これらの能力は数値化ができません。あくまで個人による競い合いといった面が強いテストの得点とは異なり、そこには必ず他者が介在するからです。ですが、人生を豊かにするためのファクターとしては、勉強ができることよりもはるかに大きなウエイトを占めていると思います。お子さんを四角い箱に押し込める必要はありませんが、個性を活かしつつも社会生活を営む上で最低限必要だと思われる教育は、ご家庭の責任でその土壌を育んでいただきたいと思います。
A4用紙3枚にも及ぶ文章をここまでお読みくださったあなたはその資質に溢れていますし、そんなあなたのお子さんは将来への大きな可能性を秘めていると確信しています。

“職業に貴賎なし”
言葉の意味は大いに尊重しますが、選択する自由がなければ貴賎以前の問題です。大切なお子さんが社会に出て輝くことができて、さらに日々の生活の中で幸福感を感じることができるような選択がなされることを願ってやみません。

大変長くなりましたが、最後までお付き合いいただきありがとうございました。




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